「もうおやすみと誰かが言ってあげなきゃ」

人類最後の一人は、何を思うのだろう。

隕石が降ってきたら、あるいは人類自ら争いの果てに核兵器だのを暴走させたら、一斉に滅びることもあるのかもしれない。

でも、段々と、一人また一人といなくなっていくとしたら。

その時の地球はどんな状況なのか。
もう人が住めるような環境ではないのか。
宇宙へ脱出する人類もいるのか。
人間以外の生き物たちはどうなっているのか。

自らが最後の一人であるかどうか、わかりはしないかもしれない。
地球の裏側でまだ誰かが生きているかもしれない、誰かがどこかにいると、同胞の存在を求めるのかもしれない。

わからない。
でもたった一人になったその人は、最後に何を思うのだろう。
何を目にするのだろう。肌に何を感じるのだろう。
世界に絶望し、世界を呪うのか。
それとも、世界は美しいと、生まれてよかったと思うのか。
そうであればいい。


私は、ピリオドなのだ。
ご先祖様がつないできた流れの終着点。
少なくとも私が最後になれば、あとに続いたかもしれない誰かが最後になることはない。
その誰かがたった一人ぼっちで世界を呪って死んでいくことは、少なくともない。

これから生まれてくる命は祝福され、健やかであってほしい。
生まれてきてよかったと、いや、そんなことも思わないほどにただ満たされて、幸せであればいい。
だけれども、あまりにも人間の世界は、地獄に塗れているように見えてしまう。
人間がいるから、地獄がある。天国も、きっと。



生物にとって、続くことこそが本能で使命なのだろうか。
旅人のように、とにかくも生きる。生き続ける。次の命へバトンを繋ぐ。
始まりがいつだったのかはわからないけれど、でもいつか終わるのならば、それが1000年後か数十年後かの違いだ。いつ終わろうとも、終わりは終わりだ。

長く長く続いてきた旅の終着点。それが私。
なんだか随分こじらせてしまっただけのようにも思うけれど、ふと湧いて出た言葉は「やっと、終わりにできる」。
旅人の使命が歩き続けることであるならば、誰かが終わりを告げなくては。
これ以上どこへも行けない。行かなくていい。
もう休んでいい、もうどこにも行かなくていい、ゆっくり眠っていいと。

終着点がここだと、旅人には決められないのならば。
もうどこにも行けなくなるまで歩き続けて、倒れたそこを終着点にするためには。

私はピリオドで、ハッピーエンド。
私の人生がどうあれ、私そのものが、ハッピーエンドなのだ。


ご先祖様の中には、苦しくてしんどくてたまらない気持ちを抱きながら、
なんとか命を繋いできてくれた世代もいるだろう。あるいは、ほとんどが皆。
そうやって繋いできてくれたものに終止符を打つ。

常識的に言えばバッドエンドだろう。必死に繋いできてくれたものを受け取り、次へつなぐことこそが使命であると、普通は思うのだろう。私は終焉をもたらす悪魔で大罪人かもしれない。
でも、構わない。もういいのだ。
これまでの誰か、私の後に続いたかもしれない他の誰かが背負うよりも、きっといい。
これでおしまい。

私を構成する物質は、質量保存の法則に則って、また別の何かを構成する。
ただ循環するだけなのだ。今たまたま、人間という形を構成しているだけだ。

人間。遺伝子の船、遺伝子の発露。状態。
動物も、植物も、人間も、人間がこさえた建物や色々も、構成するものは同じなのだ。
原始だか分子だかの組み合わせ。状態。
地球は、その組み合わせをいくつもいくつも試す実験場。
偶然を起こすために、進化を起こすために。
この組み合わせはここでおしまい。それでいいのだ。



なんで人間なんて業が深い生き物を誕生させたのか、地球も想定外だったのか、迷惑してるんじゃないかなんて思ったりもしたけど、それが地球の意図だったのなら。
二足歩行で人間の脳を発達させて、地球を縦横無尽に移動させ、宇宙まで飛ばした。
地球の本能なのか。自らが寿命を迎えても、地球の物質たる人間が宇宙に散らばれば、それは地球が生き続けることと同義なのではないか。

いや、宇宙は何でできているのか?
地球はすでに宇宙の一部ではないのか。
難しいことはわからない。
宇宙の外側なんていうものもあるというし。

私の肉体が朽ちて、本当は樹木とか鳥の栄養になれたら嬉しいけれど、大家さんには誠に申し訳ないけれど床のシミになってしまう可能性もあるし、そもそも順当にさらに老化して生き続けてしまったら、そのうち部屋を貸してもらえなくなる可能性が高いよな困ったな…


などなど、考えても無意味なひとり遊び。
そう、私は人間だ。
意味を求めて、無意味な自分に気がついて、絶望して、開き直って。
もうすぐ桜が咲いたら、缶チューハイ片手に夜桜を眺めるとしようか。

死ぬまでにあと何曲作れるだろう。
デジタルの海に溶け込めたら、100年くらいはネットの海を漂えるのだろうか。

読み人しらず、みたいに、いつかの誰かに届いたなら。
君へ、あなたへ。



タイトルはGLAY/生きがい

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