何度か足を運んでは

その度に手にとって、でも元に戻して、形に残るものを買うことを躊躇っていた。
カメロンパンは食べたら残らないのに、いつも遠巻きに見るだけだった。

でも買った。やっと買えた。
友達へのお土産も。

たとえもう会えなくても、大事なものは大事だ。
出会う前には戻れない。
失ったはずなのに、確かにここにある。

出会えたから、この世界はあなたがいる世界になった。
この先もずっと、この世界にはあなたがいる。
同じ時代に生きている。

すれ違うことすらない人の方が圧倒的に多いのに、目が合った。言葉を交わした。
そしてきっと、お互いの琴線に触れた。
それが奇跡でなくて何なのか。
君に幸せあれ、何度でも乾杯するんだ。

ポケットに、あれもこれも全部詰め込んで。
いつかもっと年をとって、もしかしたら何もかも忘れてしまうまで、大事に抱えていけたら。
人生の終わりに、その全部をひとつずつ取り出して、並べて、じっくり眺めながら笑ってくたばることができたなら。

まだこれからもきっと、ポケットに入れたいあれやこれやが起きると信じて。
そしていつか、誰かとポケットの中身を見せ合えたらいいな。

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